2025年10月5日、一般社団法人 日本ホストクラブ健全化推進協議会 (JHCA)が報道各社に向けて役職記載の再開とランキング発表の解禁を発表しました。
これまでの経緯と今後の注意点をまとめました。
改正風営適正化法の施行(2025年6月)
2025年6月28日に「改正風営適正化法」が施行されました。主に悪質ホストクラブの問題への対応のために改められた法律です。勘違いしている方もいますが、対象となるのはホストクラブだけではなく、類似の業種のキャバクラ等も含まれています。
法律の文章内に役職やランキングについて直接の言及はありません。しかし、法律の施行前に警察庁よりホストクラブの運営者に対して以下の内容が通達されました。
著しく客の遊興・飲食意欲をあおったり、接客従業者同士に過度な競争意識を生じさせるもの、また違法行為を助長するような歓楽的・享楽的な雰囲気を過度に醸し出す表現を営業所外に発信することを禁止する
簡単に言えば、ホストの凄さをアピールするための役職や売上額、ホスト同士で競わせるランキングは女性客にお酒の注文をあおることに繋がるので止めましょう、ということ。
取り締まりを行う警察からこんな通達があったので、ホスト業界は大騒ぎになりました。過去の発言やSNSでの投稿も対象になるのかもしれないとアカウントを削除したり、公式HPを一時閉鎖するなど急場をしのぐ対策が取られました。
その他、法改正で何が変わったのかについては下記サイトを参照してください。
参考情報:風営法改正でホストクラブはどうなった?
JHCAからの役職・ランキング復活の発表
法改正から約3ヶ月後、何の前触れもなく役職とランキングの復活が発表されました。

文字起こしした内容はこちら。
このたびの風俗営業法改正を受け、当協議会 (JHCA) は行政との協議および有識者の意見を踏まえ、ホストクラブ業界における健全化の一層の推進を目的として、新たな自主規制の範囲を以下の通り策定いたしました。
・役職の取扱い
役職制度についての行政・有識者の見解を踏まえ、名刺やホスト個人のプロフィールへの役職記載を再開いたします。ただし、役職を理由とした営業行為は引き続き禁止とするほか、過度なSNSでの役職誇示については自主規制いたします。
・ランキングシステムの取扱い
ランキング制度についての行政・有識者の見解を踏まえ、店舗公式SNSからの発信に限り、静止画、静止画によるスライド形式のランキング発表を解禁いたします。ただし、ランキングを理由とした営業行為は引き続き禁止とするほか、過度な動画演出やホスト個人によるランキング発信については自主規制いたします。
・数値アピールの規制
売上・組数・総工費など金銭的な数値を直接的に強調する広告・発信は、引き続き自主規制いたします。
なお、上記を含めて、LED ビジョン・アドトラック等、法令で禁止されている広告手法については、引き続き禁止と理解し、法令を遵守いたします。
JHCA は、業界全体の社会的信頼の向上に向け、法令の遵守と自主規制の徹底に努めてまいります。今後も関係各所との連携を図りながら、風営法の趣旨に則った健全なホストクラブ運営の実現に尽力してまいります。
一般社団法人 日本ホストクラブ健全化推進協議会 (JHCA)とは歌舞伎町を中心に160店舗ほどのホストクラブが所属する業界最大の団体です。
誰と、どういった話し合いがあったのかは不明ですが、役職もランキングも条件付きでOKとなったようです。もちろん、お客様保護の観点はそのままにですが。
役職・ランキング復活後の動き
上記の発表からすぐ、歌舞伎町のホストクラブの公式Xなどで役職を記載した売上ランキングがポストされています。
ホストクラブ情報サイトは6月の法改正後にサイト内での役職やランキングの掲載を取りやめています。役職の掲載は再開しそうですが、恐らくランキングに関しては現状維持で再開はしないでしょう(求人担当や店舗責任者など一部の役職は元からOKだった)。
役職・ランキング復活に関する注意点
今回の動きに関連して注意しておくべき点をまとめました。
全国のホストクラブで再開する?
前述のように日本ホストクラブ健全化推進協議会は歌舞伎町のホストクラブを中心に構成された団体です。今回の役職・ランキング再開が全国的にOKなものかははっきりしません。
歌舞伎町に系列店があるホストクラブでは復活する可能性がありますが、地方のホストクラブは慎重になりそうです。
違反した場合はどうなる?
法改正に伴って警察から通達された内容をもとに自主規制していたのがそもそもの始まりなわけですが、今後ルール違反が見つかった場合にどうなるかは不明です。
法律ではないので罰則等はなさそうですが、自主規制というものは時間経過とともに緊張感が薄れて緩くなることが多いので心配です。
役職・ランキング廃止を歓迎していた店やホストの対応は?
ホストの中には6月の法改正を好意的にとらえている人もいました。
意味のない役職はいらない、お客様への負担を増やすようなシステムはいらない、真の実力者がわかりやすくなる、など理由は様々。
今回の役職やランキング復活に追従し、再度役職を名乗るのか、ランキングへの掲載をするのか、野次馬的な興味は尽きません。
まとめ
10月5日に発表された役職・ランキングの復活についてまとめました。
元々が法改正&警察庁からの通達であったため、慎重な店舗が多く、全国的な広がりを見せるにはまだ時間がかかりそうです。
ホストの給料は売上という成果によって決まる歩合給が基本です。その仕組みと自らの実力を表現できる役職・ランキングはかなり相性がよかっただけに復活でモチベーションが上がっているホストは多いでしょう。
参考情報:【朗報】ホストクラブへの規制が緩和!?


