1杯目「転職の夜」
ⓒごとうにも/えぶりでいホスト製作委員会
◇キャスト◇
コーイチ:下野紘
ハジメ:八代拓
リョーイチ:畠中祐
センイチ:岡本信彦
公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/everydayhost/
人気アニメ『えぶりでいホスト』からホスト業界について学びましょう。今回取り扱う内容はホストになるきっかけ、ホストに向いている人とは、源氏名、接客方法などです。
ホストを始める理由(0:37~)
主人公は仕事がいやになって辞めてしまった元サラリーマン。自暴自棄になりつつ、ホストの求人(チラシ?)を見て面接にやってきました。
脱サラしてホストを始める人はそれほど多くはありませんが、新入社員が5月病で仕事が嫌になって…、という流れはあります。
主人公の「ホストをやりたい理由」は明確になっていませんが、大抵の人はお金を稼ぎたいか女性にモテたいかのどちらかです。将来設計をしっかりしている人の方が稀です。
参考情報:ホストになる理由・きっかけってなに?
ホスト向いていない(0:53~)
ホストを始める人の大半は自分にできるか不安を感じています。「自分はホストをやるために生まれてきた」なんて自信満々の人の方が少ないです。
ホストの仕事はハードルが高いイメージがありますが、始めるだけならそんなことはありません。女性が好きか、お酒が好きか、お金が好きか、自分を変えたいか、有名になりたいかなど数ある条件の1つでも合っていれば働けます。
その場の勢いだったのかもしれませんが、主人公のように飛び込みでホストの面接を受けられるくらいのコミュ力があれば全く問題ありません。
アットホームな職場(1:09~)
一般業種の求人でもやや地雷ワードになりつつある「アットホームな職場」。
ホストの求人でも最近はあまり見かけません。一般的なホスト業界のイメージと合わないので嘘をついていると思われやすいからです。お店の雰囲気の良さをPRしたいならばアットホームという言葉は使わずに写真や動画など別の方法をを使う方がお店の雰囲気をより伝えられるでしょう。
お店によって差はありますが、昔に比べればホスト業界は全体的にアットホームな雰囲気になっています。気軽にホストの仕事を始められる反面、気軽に辞めることもできます。殺伐とした厳しいお店は新人が定着しません。
源氏名を決める(1:14~)
ホストクラブでは原則本名は使いません。ホストとしての名前である源氏名を名乗ります。
アニメでは過去に在籍していたホストの名刺から源氏名を選んでいますが、実際には自分で自由に決めることができます。貴方がホストを始める場合、主人公と同じ「一(はじめ)」を名乗ることもできます。
源氏名にルールはほどんどありません。公序良俗に反するものでなければ何でもOK。アニメや漫画の主人公の名前や響きの良い名前、ネタ系の名前でも構いません。
唯一のルールは同じ店・同じグループにすでに存在している源氏名は使えないこと。裏を返せば他店の有名ホストと全く同じ源氏名を使うことは可能です。ただし、同じエリアで働いていると人違いされる可能性が多く、結果的に自身にマイナス影響を与える可能性があります。
アニメではお店の名前「CLUB ONE(クラブワン)」にちなんで源氏名に「一」が含まれています。※先輩ホストもみな「イチ」が付いている。
実際のホストクラブでは源氏名に店名にちなんだ文字を含めることはほとんどありません。大抵の店舗が英字のため源氏名には含めにくいのです。しかし、店舗ごとに特別な意味合いを持つ源氏名(主に苗字)はあります。
伝説的なホストが名乗っていた、オーナーが現役時代に名乗っていた、などの理由で特別な意味を持ち、複数のホストが同一の苗字を名乗っている場合があります(一条、一ノ瀬など)
お客様の席に着く(1:51~)
面接当日に新人が単独でお客様の席につくことは基本的にありません。経験者でもない限り、お客様に迷惑をかける可能性が高いからです。
体験入店時には先輩ホストのサポート役として席に着くことはあります。これをホスト業界ではヘルプと呼びます。
飲み物の準備をしたり、テーブルを片付けたり、時には会話に交じって相槌を打ったりします。主役はお客様と先輩ホスト(担当ホスト)なのであまり前に出ないようにしつつ、リアクションだけは大きめに。
参考情報:ホストのヘルプとは
先輩の接客を見る(2:13~)
先輩ホストは最も身近なお手本です。実践的なテクニックを学びましょう。
色恋営業とは恋愛感情を巧みに操る接客方法です。ホストの接客方法は「〇〇営業」と呼ばれます。2025年6月の法改正により色恋営業は禁止行為になりました。
店内でキスするホストはいますが、あまり堂々とすることはありません。一応、各テーブルは周りから見えないようになっていますが、同じタイミングで同じホストを指名している他のお客様が来店している場合もありますので(適宜テーブルを行き来する)。
接客は人真似でするものじゃない(2:44~)
先輩ホストの接客を見てメモを取る主人公に先輩ホストであるコーイチが放つセリフです。
お客様がホストに求めるものは十人十色ですので間違ってはいませんが、主人公の行為も間違ってはいません。右も左もわからないうちは先輩を模倣するのも一人前のホストになる方法の1つです。
ホストクラブはかつてはアンダーグラウンドな業界でしたが、メディアに取り上げられるようになり、何度かのブームを経てどんどん規模が膨れ上がっています。
増えていくお客様の対応をするため、新人の育成はホストクラブの急務です。個人のセンスや努力だけに頼るのではなく、接客方法・お客様対応・テーブルマナーなどをマニュアル化しているホストクラブが増えています。
弟営業(3:00~)
コーイチが20年間続けてきた独特の接客方法。アニメでは「弟みたいに甘える接客方法」と説明されています。
弟営業は実際のホスト業界ではそれほどメジャーなものではありません。ホストクラブには若い女性が多く訪れるので、長年続けることが困難なのでしょう。そんな弟営業を20年も続けられるコーイチはかなりの実力者です。
ちなみに、ホストの仕事は法律上18歳未満は働けませんので、コーイチの年齢は少なくとも38歳以上でしょう…。
余談:同じお客様に複数のホストは着かない
アニメ内では同じお客様にリョーイチとコーイチがそれぞれ得意な接客方法でアプローチしていました。
実際のホストクラブでは基本的にこういったことはありません。お客様は1人のホストを指名し、その指名されたホストが主に接客をするためです。
仮にお客様がリョーイチを指名している場合、コーイチの弟営業はヘルプ(接客補助)を超えたもので、業界的には爆弾行為(タブー)にあたるでしょう。
2人の行為がOKな場合はお客様がまだ指名ホストを決めていないフリーの場合です。フリーのお客様にはホストが順番に席に着いて接客します(10分~15分)。お客様はその中から気に入ったホストがいれば指名して、その後はずっとそのホストに接客いてもらいます。気に入るホストがいない場合は店内の別のホストを席に着けることもできます。
来店前からネットやSNSで指名したいホストが決まっている場合はフリーの状態を経ずにすぐにホストを指名して接客してもらうことができます。


